手遅れになる前に!自動車保険について
2020/03/17カテゴリー:むちうち施術情報,スタッフブログ,交通事故・むち打ち,記事
自動車保険には、自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)と任意保険の二種類に分別されます。
自賠責保険
自賠責保険とは別名「強制保険」とも言われ、法律によって義務付けられている保険です。元々は交通事故の被害者に対する最低限の救済を主な目的とする国が認めた保険です。
その為、自賠責保険に加入していない場合
「一年以下の懲役又は50万円以下の罰金」
「免許停止処分(違反点数6点)」
また車に自賠責保険証明書を備えていない場合は、「30万円以下の罰金」という処分が下されます。
自賠責保険は、最低限度の補償を受けれる為の保険なので、補償範囲は限定されており、運転手及びその車の所有者以外の「他人」しか補償されません。また自賠責保険は対人賠償のみの為対物や車両に対しての補償はありません。
補償内容としては
1事故1名につき120万円までの補償があります。また死亡事故の場合は3000万円、後遺症が認められた場合は程度に応じた等級によって75万〜4000万円まで補償されています。また慰謝料についてはこちらを見てみてください。
この補償金額を超えてしまう身体の損害がある場合は、自己負担又は任意保険によって補います。
任意保険
任意保険は「自賠責保険では補償されない部分を補う保険」です。
・自分や相手の車の修理代
・破損させた公共物
・自分のケガや自賠責保険の補償額を超える金額の補償
などが任意保険適応範囲になっています。
任意保険は自賠責保険とは違い強制的に加入しないといけない保険ではないので、現実問題何かあっては遅いので、殆んどの人が加入している現状になっています。
ただ、任意保険には様々な種類があって、自分に必要な保険を選んで加入すればよいのですが、どの保険はどんな内容で、どの保険は自分に適しているというのが、知られていない事が多いと思います。
では、任意保険にはどのような保険があるのでしょうか??
まず任意保険は大きく分けて3つのグループに分かれます。
@「賠償責任保険」
A「傷害保険」
B「車両保険」
その中でも分けていくと
@「賠償責任保険」→対人賠償保険、対物賠償保険
A「傷害保険」→搭乗者傷害保険、自損事故保険、無保険者傷害保険、人身傷害補償保険
B「車両保険」→車両保険
に分かれていきます。
基本的に加入しておくべき任意保険は
「自賠責保険」
「対人賠償保険」
「対物賠償保険」
「搭乗者傷害保険」もしくは「人身傷害保険」の4つだといわれているので、この4つを基本に任意保険は加入しておいた方がいいです。
自賠責保険はどこの保険会社でも同じ価格ですが、任意保険では各保険会社でサービス内容も異なり、また同じ保険サービスでも保険会社によって価格が違う為、自分に合う保険を見極めることが大切です。
@対人賠償保険とは
対人賠償保険は、交通事故で相手に怪我をさせたり、死亡させてしまった場合に、自賠責保険の補償額を超えてしまう分が支払われる保険です。
対人賠償保険は、任意保険の中でも最も重要な保険と言っていいと思います。
自動車を運転する場合、必ず対人賠償保険には加入しておくと良いと思うのですが、実際には約85%前後の人しか加入していないみたいです。
つまり、公道を走っている自動車のうち、約15%前後は対人賠償保険に加入していない(未加入)車ということになります。
たまたま運悪く、事故した相手が対人賠償保険に加入していなかったら、補償をしっかり受けることができません。
こういった無保険車と事故を起こした場合の対処として、「無保険車傷害保険」という保険があります。
A対人賠償保険の適応範囲について
対人賠償保険は、あくまでも「他人」を怪我させてしまったり、死亡させてしまった場合のみに限られます。ここでいう「他人」というのは、「被保険者(保険に加入している人)」以外の人のことで、自分以外の人という意味ではないので注意が必要です。
では、被保険者以外の方とはどのような人でしょうか??
それは、被保険者以外の人に当てはまる人は下記の方々です。
・記名被保険者(保険を申し込んだ契約者)
・記名被保険者の配偶者
・記名被保険者の配偶者の同居の親族
・記名被保険者、またはその配偶者の別居の未婚の子
・許諾被保険者(記名被保険者の承諾を得て車を使用または管理中の者)
・記名被保険者の使用者(雇い主)
上記に当てはまる被保険者にケガをさせてしまったり、死亡させてしまったりした場合は、対人賠償保険の支払い対象にならないので注意しておきましょう。
B対人賠償保険での過失割合の大切さについて
対人賠償保険が支払われる場合、支払われる金額は「過失割合」によって大きく変わってきます。
「過失割合」というのは、交通事故を起こした双方の過失の度合い、つまり、どちらがどのぐらい悪いのかという割合のことです。
対人賠償保険で支払われる賠償金額は、自分自身の過失割合分だけが相手に支払われることになります。
過失割合は、過去の事故例などから大まかな基本割合が決められているので、それを基本に各事故に当てはめ、それぞれの過失割合を決めていくようになっているそうです。
実際問題、車対車の事故の場合、1人が100%悪くてもう1人の方は0%で全く悪くない、ということは殆んど無いそうです。
C対人賠償保険の補償金額の算定の仕方(過失割合を加味した場合)
EX)A君が交通事故を起こして相手に大怪我をさせてしまい、治療費に500万円かかった場合、自分の過失割合が60%だったら、相手に補償される金額はいくら支払われるでしょうか?
下記のような条件として考えてみましょう。
- 対人賠償保険金額「無制限」
- 被害者対する損害賠償責任の額「500万円」
- 自賠責保険で支払われる金額「120万円」
- 加害者の過失割合「60%」
対人賠償保険の補償金額は、下記のような計算式で求められます。
(被害者の損害額 × 契約者の過失割合) 自賠責保険の補償額 = 対人賠償保険金の支払い額
この式に実際に数字を当てはめていくと・・・
(500×0.6)−120=180
つまり、対人賠償保険金として支払われる賠償金額は180万円ということになります。
ただ、実際に相手に支払われる賠償金額は、対人賠償保険金180万円+自賠責保険金120万円の、合計300万円ということになります。
この300万円というのが、自分の過失割合60%の金額です。
治療費に500万円かかりますが、相手も40%は悪いので、残りの40%分、つまり200万円に関しては相手の自己負担ということになります。
もし自分が被害者だったとしたら、この自己負担分の200万円を負担してくれる保険として、「搭乗者障害保険」や「人身傷害保険」などがあります。
@対物賠償保険とは
以前説明させてもらった対人賠償保険は、交通事故で「他人」にケガをさせてしまったり、死亡させてしまったりした場合に補償される保険です。
それに対して、この対物賠償保険は交通事故で「他人の財物」に損害を与えてしまった場合に補償される保険です。
例えば、相手の車の修理代や、ガードレールや標識、塀や店舗などを破損した際に補償してくれ、相手の「物」に対しての保障をしてくれるわけです。
また、物以外にも物が損害を受けたことによる間接的な損害も補償の対象になっています。
例えば店舗に車が突っ込んでしまった為に修理が終わるまで営業できないことによる営業損失や、タクシーやバスと事故を起こした場合、修理が終わるまでの休業損失なども補償されます。
自賠責保険は物に対しての補償は一切無いので、対物賠償保険に加入していない場合は、損害を与えてしまった物の修理代や営業・休業損失などは、全額自腹で支払う必要が出てきてしまいますのでご注意下さい。
対物賠償保険は、対人賠償保険の次に重要な保険といってもいいと思います!!
対物賠償保険も500万円、1000万円や無制限など、いくつかの補償限度額の中から契約できますが、基本的には無制限に加入しておくと安心して頂けるかと思います。
A対物賠償保険の補償範囲について
対物賠償保険で補償される範囲は、対人賠償保険と同じで「他人」の財物に限られているんだ。
対物賠償保険で言う「他人」というのは、対人賠償保険と同じで、「被保険者(保険の対象となる人)」以外の人を対象にしていて、自分以外の人という意味ではないので注意しておきましょう!
【下記の者が使用・所有・管理している財物は補償の対象外】
・記名被保険者(保険を申し込んだ契約者)
・記名被保険者の配偶者・父母・子供
・被保険自動車を運転中の人と、その配偶者・父母・子供
・記名被保険者の使用者(雇い主)
上記に当てはまる人が使用・所有・管理している財物は補償の対象外という事です。
対物賠償保険と対人賠償保険に共通する、「対」というのは他人や他人の財物を対象としているのであって、被保険者は補償の対象になっていないということを知っておいてください。
B対物賠償保険が適用されるケース
実際にどういったケースで対物賠償保険が適用されるのか、分かりませんよね…。
では。いくつかの例を出すので参考にして下さい。
Q1)飲酒運転をし交通事故をおこし、見ず知らずの人の車に衝突してしまい破損させてしまった場合、対物賠償保険は支払われるでしょうか?
A)対物賠償保険は適応されます。
飲酒運対物賠償保険は適応されます。転をしていた場合でも、他人の財物に損害を与えてしまった場合は、対物賠償保険は支払われます。
Q2)マイカーでドライブしていたら、不注意でガードレールに車をこすってしまい、マイカーに傷が付いてしまった場合はどうだろう?
A)対物賠償保険は適応されません。
この場合、自分の車は「他人」に当てはまらないので対物賠償保険は支払われません。こういった場合に自分の車を補償してもらうには、車両保険に加入しておくと有効です。ちなみにガードレールの修理代は対物賠償保険で補償されます。
Q3)誤ってコンビニに衝突してしまい、店舗の一部や商品を破損させてしまった。
A)対物賠償保険は適応されます。
これは問題なく対物賠償保険で補償されます。店舗の修理代の他に、破損させてしまった商品代金や、店舗の修理が終わるまでの休業損失なども対物賠償保険で補償されますよ。
自分の車を運転中に、誤って母親が所有する車にぶつけてしまった。場合に対しては、自分も母親も「他人」に当てはまらないので、対物賠償保険では補償されません。気をつけて下さいね!!
C対物賠償保険での「過失割合」について
過失割合というのは、交通事故を起こした双方の過失の度合い、つまり、どちらがどのぐらい悪いのかという割合です。
対物賠償保険で支払われる賠償金額は、対人賠償保険のときと同様、自分自身の過失割合分だけが相手に支払われます。
それでは下記の条件の場合、相手に補償される保険金額はいくらになるのか問題です。
※物損事故の場合、「自賠責保険」が下りないのを除けば、対人賠償保険のときと同じ考えで大丈夫です。
物損事故例)
●条件1:対物賠償保険契約額 1000万円
●条件2:相手方の損害額 600万円
●条件3:加害者(契約者)の過失割合 70%
被害者の損害額 × 加害者の過失割合 = 対人賠償保険金の支払い額
この式に数字を当てはめていくと…
600×0.7=420
つまり、相手方には420万円の保険金が補償されます。
今回は相手方への賠償金の支払額が420万円で、対物賠償保険の契約額が1000万円だったので問題は無かったけど、これが相手への支払いが1500万円だったとしたらどうなるでしょう?
この場合、契約額の1000万円を超える分、つまり500万円に関しては自分で支払う必要が出てきてしまいます。
店舗に誤って突っ込んだ場合や、電車と事故を起こした場合など、非常に高額な請求をされる場合もあるので、対物賠償保険も「無制限」で契約しておくのが有効かと思われます。
交通事故を引き起こしてからでは保険の内容を見直すことはできません。
その為に知識と前もって準備をしておきましょう!
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監修 柔道整復師・鍼灸師・あんまマッサージ指圧師 原田彰
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